いじわる@UWC Costa Rica

朝五時のキャンパス

朝にバードウォッチングをした時です。ハチドリやインコなどたくさんの鳥を観察できます。

しかし今回は鳥のお話ではなく、お勉強についてです(笑)。

UWCと勉強

先週から試験期間が始まりました。特に二年目の生徒のSecond yearは勉強に必死です。

大学からの受け入れを貰えたらもう勉強しなくていいと自分の中で思っていましたが、そういうわけにもいかないようです。

大学に出願する時期はまだIBの履修が完全には終わっていないので、いままでのテストの結果から予想点を提出するわけですが、もし大学に合格通知をもらっても最終のスコアが低かったら蹴られる例もあるのだとか。厳しい世界。

生徒が皆、寮や図書室に籠って勉強している間に素晴らしい天気です。

図書室の前より

しかも気温は20度前後とベスト。風も気持ちいい。鳥も啼いてる。そんなベストな時季に試験期間。自然はいじわるですね。少しでも自然を感じようと外で勉強する私。

そしてプリントがすべて飛ばされる、、。(今日5回目)

世界70カ国からの生徒がいる環境にいると、国や地域によって勉強の仕方が様々で観察していて面白いです。比べてみるとこんな感じ、、、

アジア:基本はずっと勉強。数学ができる。(Math HL の八割がアジア人)。けど思ったよりもみんな勉強していない?(おそらくコスタリカ校だから?笑)

ヨーロッパ:遊びと勉強がしっかり区別化できているイメージ。ディスカッション大好き。友達と勉強するのも大好き。

アフリカ:ラップ大好き。勉強中もずっとラップを聴く。※イヤホンで聴くのではなくスピーカーで爆音。Youtube学習大好き。

北アメリカ:自分の好きなことの延長線上に勉強があるイメージ。勉強するときはイヤホンで音楽爆音で流す。

ラテン:勉強できない。

カリブ:勉強しない。

※これは個人の見解です。

 

My English Class!

それはそうと「学校での勉強の内容を知りたい。」という声が多くあったので今回は少し英語(English Language and Literature)のクラスを紹介したいと思います。現在クラスでは、第一次世界大戦を題材にした詩で知られるイギリスの詩人 Wilfred Owenの詩集を扱っています。今回はこの詩集の中で特に興味深かったAnthem for Doomed Youthを紹介しようと思います。

「wilfred owen」の画像検索結果
Wilfred Owen

Anthem for Doomed Youth

What passing-bells for these who die as cattle?
Only the monstrous anger of the guns.
Only the stuttering rifles’ rapid rattle
Can patter out their hasty orisons.
No mockeries for them; no prayers nor bells,
Nor any voice of mourning save the choirs,?
The shrill, demented choirs of wailing shells;
And bugles calling for them from sad shires.

What candles may be held to speed them all?
Not in the hands of boys, but in their eyes
Shall shine the holy glimmers of goodbyes.
The pallor of girls’ brows shall be their pall;
Their flowers the tenderness of patient minds,
And each slow dusk a drawing-down of blinds.

日本語訳です。

死者たちのための挽歌  Anthem for Doomed Youth(壺齋散人訳)

  家畜のように死んでいったもののために鳴るのはどんな鐘か?
  たけり狂った拳銃の音と
  ガタガタとなり続けるライフルの音が
  彼らにとっての唯一の祈りの声
  銃の音のほかには どんなあざけりの声も
  祈りも鐘の音も嘆きの声も聞こえない
  泣き叫ぶ銃弾の振るえと轟音とが
  悲しみの国から彼らに呼びかける

  彼らを急がせるためにどんな蝋燭を掲げたらよいのか?
  別れの挨拶が伝わってくるのは
  少年たちが振る手からではなく彼らの目の中からだ
  彼らの柩を覆うのは少女たちの青ざめ額だ
  忍耐強い心のやさしさが彼らを覆う花だ
  夕闇がゆっくりと訪れブラインドを下ろしたように暗くなる

どうでしょうか。一回読んだだけでは理解するのが難しい詩だと思います。第一次世界大戦で死んでいった若い兵士たちについての詩です。

タイトルにあるAnthemには二つの意味があります。サッカー場で選手が歌う国歌のように、人を鼓舞するための歌と、キリスト教の讃美歌です。

今回の場合のAnthemには、兵士たちを戦争に行かせることを鼓舞するためのAnthem。そして死んだ兵士たちの追悼のためのAnthem。この二つの意味を持ちます。なのでこの詩は「もう戦場に行く前から死ぬことが分かっている」ということをほのめかしていることが分かります。他にも”the monstrous anger of the guns. ”のような擬人化や、 stuttering rifles’ rapid rattleのような オノマトペや頭韻法を使い巧に情景を描写しているのが分かります。

そしてクラスでのディスカッションで発見したことがありました。それはこの詩がソネット(sonnet)だということです。ソネットとは14行から構成される叙情詩のことです。今回のこの詩は8行と6行の合わせて14行で構成されていて、シェイクスピアの詩と同じ構成だということが分かりました。シェイクスピアのソネットは愛とロマンスがテーマです。Owenはあえてシェイクスピアと同じ構成で戦争の様子を描写することによって皮肉的な詩にしたのです。

詩の詳細だけでなく、詩の全体を見たときに自分では気づけなかった新しい発見がある。

やはり英語の世界って面白いなあ。と改めて感じさせられました。

IBの落とし穴

そして授業だけではなく少しIB (International Baccalaureate) のテストで注意するべき点を紹介しようと思います。

それは「IBを信用するな!」ということです。今回は私の履修しているBiologyとMathの二つの例を見てみましょう。

これはBiology SLにて出題された問題。

「どのプロセスがADPからATPへの変化を発生させるかという問題です。答えはDの Anaerobic cell respiration(嫌気性の細胞呼吸)でした。私はこの出題にとても困惑しました。なぜならテキストブックにはこのような記述があります。

ANAEROBIC CELL RESPIRATION

If no oxygen is available, the pyruvate remains in the cytoplasm and is converted into a waste product that can be removed from the cell. No ATP is produced in these reactions. In humans the waste product is lactate (lactic acid)。In yeast the products are ethanol and carbon dioxide.(IB study guides Biology for the IB diploma by Andrew Allottより抜粋)

この文には”No ATP is produced”としっかり書いてあります。

何が言いたいかというと「テキストブックの記述と問題の答えが一致しない」ということです。太文字のところにあるように、テキストブックには「Anaerobic cell respiration(嫌気性の細胞呼吸)はATPをつくらない」と記載があるにもかかわらず出題の答えは「Anaerobic cell respiration(嫌気性の細胞呼吸)がATPを発生させる」ということになっていました。

なぜこのように記述の矛盾が起きたのでしょう?

Googleさんに聞いてみると

The ATP generated in this process is made by substrate-level phosphorylation, which does not require oxygen. Fermentation is less efficient at using the energy from glucose: only 2 ATP areproduced per glucose, compared to the 38 ATP per glucose nominally produced by aerobic respiration.  (https://en.wikipedia.org/wiki/Cellular_respiration より)

と教えてくれました。どういうことかというと「ごくわずかだが Anaerobic cell respiration(嫌気性の細胞呼吸) はATPを生成する」ということが分かりました。

つまりテキストブックが「ごくわずか」と記載するべきところを「生成しない」と大胆かつテキトーに記載していた。ということです。このようにIBのテキストブックはときに曖昧に、そしてテキトーな記載をするので「IBを信用するな!」ということです。

 

二つ目にMathの例を見てみましょう。

MathではPaper1とPaper2の二つのテストが存在し、Paper1はGDCなし。 Paper2はGDCありです。GDC(Graphic Display Calculator)はグラフなども描ける高機能の計算機。

「gdc calculator」の画像検索結果
GDC

Mathで注意しておかなければいけないのは、テキストブックの答えが違うことがよくあるということ。頻度でいうと20問に1回は間違いがあります。ここは先ほど紹介したBiologyと同じ点なのですがMathにはもう一つ注意しなければいけないことがあります。それはGDCの使い方です。

具体的な例を見てみましょう。これは先週の金曜日にあったテストのPaper2の最後の問題です。

逆関数のxの範囲を定めよという問題です。

試験直後に自分の答えを振り返ったときです。

式はあっていたものの(a)の問題の解が合わず三点も引かれてしまいました。なぜこのようなことが起きたのでしょうか。

実際にf(x)=-ln(1-x/x)をGDCでグラフ化してみると以下のようになります。

その1


チョロッと流れている青い線が逆関数 f’-1(x)=-ln(1-x/x) のグラフを表しています。このときグラフの右端のxの値は0.909。これが私がテストに書いた値の1つです。

このグラフの右端にズームしてみるとこのようになります。

その2

値が0.909から0.985に変わりました!先ほどのグラフより値が1に近づいているのが分かります。

つまり、グラフの値はズームアップして”画質”が上がることによって数値が変わるということです。

少し難しい話ですが、何を言いたいというと「計算機が100%正しいとは限らない」ということです。

さいごに

日本での授業では大半が「暗記、暗記、そして量!」だった一方で、IBは「知識を使って自分の力で解決する能力」が問われています。それが私のIBの好きなポイントの一つです。

IBは料理に似ています。

例えるなら日本での勉強が野菜や肉、調味料の名前をひたすら「暗記」していた一方で、IBはそれらの材料を「覚える」だけではなく、どのように「調理」し、どのように「盛り付け」をするかを身に着けることができるという感覚です。

そして先ほど紹介したIBの落とし穴のように、たまに「人参」が「大根」になっていたり「出刃包丁」の代わりに「野菜包丁」を使っていたりするわけです。(テキストの記述ミスなど)

他にも紹介はしませんでしたが、限られた時間の中で最適な方法を見つける必要があります。

例えばレトルトカレーも鍋でお湯を沸かして温めるよりも、電子レンジに移してチンした方が早いですよね(笑)。効率が大事。

今回は難しい話になってしまいましたが、少しでもUWCでIBをどのように勉強をしているのかを知ってもらえたら幸いです!

明日はSATです。頑張ります(#^^#)

ご視聴ありがとうございました!

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